タンメンは冬が似合う。今どきは春夏秋冬いつでも食べられるけど、白菜や人参の旬からすれば、本来は冬の食べ物だと思う。初冬のような天気に心が決まる。
タンメンならば、日高屋だ。昼どきは混み合うけど、運よく空き席に滑り込む。心は決まっていたので、席につくなり注文を終えて、セルフの水をくむ。
到着するまで手持ち無沙汰で、スマホで栄養情報を調べると、カロリーはさておき塩分が高いようす。まあ、スープを完飲するわけじゃなし、気にしすぎかな。
聞くともなしに聞けば、後客も野菜タンメン、しかも麺少なめのヘルシー路線のひとが多い。こちとら今朝はインゼリーだけだったので、少なめとはいかない。
窓の外をみれば、街の風景もなんとなくモノクロっぽいがする。街路樹の葉っぱがないだけで、そんな変化があるのかはともあれ、タンメンどきだと思う。
やってきたタンメンは、記憶より量が多い。最近は麺少なめばかり頼んでいたから、感覚がズレたかな。ともあれ、まずは野菜をスープに浸しつつ食べてゆく。
言うなれば温野菜のサラダなんですよ、これは。白菜、キャベツ、もやし、ニラ、人参、玉葱、キクラゲ。あっさりスープで素材の味がしみじみわかります。
麺が伸びるのも気にせずに、シャクシャクとはみ続け、あらかた片づいたところで徐に胡椒をかけて麺をすする。平打ち麺がスープにからみ、滋味あふれる。
麺の隙間から豚コマがコンニチハと顔を出す。おう、遅かったじゃないかなんて思いながら嬉しく食べる。後半戦になるころ、今度はお酢をかけて味変する。
ラーメンにお酢は合わないけど、不思議とタンメンにはピッタリ。お酢のトゲトゲしい酸味が、野菜のダシが滲み出たスープで中和されてまろやかになるのだ。
なにより野菜が350グラムとれるのはありがたい。温野菜スープなら、レタス、キュウリ、トマトなど冷サラダだと食べきれない量が食べられますよね。
ツルツルと麺を食べ終え、レンゲを駆使して、かつ浮かび、かつ沈む野菜をキレイにやっつける。グラスの水をグイッと飲み干して、汗をかいたぶんを潤す。
ごちそうさまでした。