「スペシャル」をiPhoneのスーパー大辞林でで調べると「特別。特殊。他の外来語と複合して用いる」とある。キン肉マンのスペシャルマンが真っ先に浮かぶ。
だが現実はそうではない。団塊ジュニアの昭和キッズならば「水曜スペシャル」の川口浩探検隊を忘れるわけがない。それゆえスペシャルに胡散臭さがある。
こちらの肉スペシャルそば。外来語とは一切結びつかず、スペシャルが「肉」「そば」どちらにかかっているのかも定かではない。でも写真はおいしそう。
味がしみてそうな豚肉に、玉子、きつね、ワカメ。たしかにスペシャルとしか言いようのない、ある意味のオールスターそば。食券を提出して、静かに待つ。
やってきたのは写真どおりで、丼ぶりからきつねがはみ出す迫力の一杯。そばをツルツルすすれざ、甘めのツユが、やたらと熱いそばに絡んで申し分ない。
豚肉はツユを吸ってすき焼き肉的に仕上がっており、ご飯が欲しくなる味わい。ここでツユが濁る前に白身だけをツルンと飲み込み、安心してそばをすする。
お揚げも甘く、七味をザブザブふって辛みをつけて、バランスを整える。ワカメもヌルヌルとよい仕事をしており、休む暇のない布陣はまさにスペシャル。
ここで、ツユの熱が入り、トロトロになった黄身をプスリと割る。これをそばにからめれば、いわゆるそばボナーラ。肉とからめれば、さながらすき焼き。
これだけ楽しんだのだから、スペシャルを名乗るのに不満はない。むしろ、スーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルそばでもいいと思うくらいです。
ごちそうさまでした。