今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 830)かけそば in 富士そば

 

立ち食いそばといえば、富士そばである。上京して大学の近くにあったので、そう刷り込まれている。学食のほうが安かったので、富士そばは高嶺の花だったけど。

 

たまに食べたくなる初心の味ですが、ここ最近散歩コースにあった店舗が次々と閉店して、富士そばはわざわざ出かけないと食べられない店となった。残念、無念である。

 

ともあれ、マイブームであるかけそば探訪に富士そばは欠かせない。通勤定期で立ち寄れる店舗を検索し、久しぶりに笹塚に降り立つ。ここ、渋谷区なんだよね。

 

最近は、立ち食いそばといいつつ椅子やスツールが用意され、客層の裾野を広げている。悪くない、悪くないけど、鉄火場のような雰囲気も懐かしい。

 

そんな流れに抗う富士そば笹塚店。今どき24時間営業するだけあって、客の回転もいいのだろう、純粋な立ち食いであり、パズーの身支度よりも早く呼び出される。

 

おや、ワカメのせ。嬉しいな。ツユを飲むとダシがきいて、醤油の味は抑えめ、甘さはほとんど感じない。鋭敏にツユの味を分析できるのは、かけそばならでは。

 

そばをたぐればアツアツで、風味は感じられないけど、チェーンなんだからこれで上等。飲み込むたびに、胃が温まります。朝イチのワカメはクキクキで嬉しい。

 

ダシが熱いので、少し火の入ったネギがいいアクセントになる。七味をかけるとストレートに辛みが伝わり、これまた、かけそばならでは。途中、水でひと息つく。

 

後半になり、そばが少なくなると、ますますスルスル食べやすくなる。具がないので余計なことを考えず、無心の時間が過ぎてゆく。あゝおいしかった。

 

ごちそうさまでした。