人物名をその名にいただく料理がある。日本だと沢庵とかハヤシライス。ジンギスカンもそうなのか。あるいは外国ならマルゲリータ、麻婆豆腐、サンドウィッチとか。
あるいは科学者が発見をしたときは、偉業を称えてその名が残される。アルツハイマーやパーキンソンなど病名も多いけど、放射線の壊変強度の単位はキュリーである。
何が言いたいかというと、それだけ名づけは重要であるということ。たとえば飲食店の名前には思い入れがあるはずだし、ましてその名をいただくメニューなら尚さら。
で、こちら永坂庵には「特製永坂そば」があります。ご自慢の桜エビかき揚げでも、名物の冷たい肉そばでもない、価格もほどほどの、きつね+たぬき+わかめそば。
決意の表れだろうか、丼ぶりがいつもと違うな。かまぼこ乗せもこちらでははじめてかも。具材は券売機どおり、立ち食い界のビッグ3、きつね、たぬき、わかめ。
定番のトリオが織りなす、三位一体、ジェットストリームアタックを味わうかね。まずはわかめ。これが思った以上にクキクキして食べ応え十分。たぶん生のヤツだな。
たぬきは揚げ玉ではなく、海老天や春菊天のカケラが入り混じる、嬉しい天かすです。お揚げもじっくり炊かれて甘いこと!これは特製の名に恥じないひと品ですな。
少し粉っぽい田舎そばは、アツアツで塩っぱめのツユによく似合う。ズルズルとそばをすすれば、天かすが口に流れ込み、お揚げでそばを巻いて食べたりして楽しむ。
さすがに店の看板を背負って立つ名前だけあり、幸福感高めメニューです。キレイに食べ終え、壁面のティッシュボックスから1枚拝借して、丁寧に口の油をぬぐう。
ごちそうさまでした。