独立系の立ち食いそば屋は、どこか凛としている。仕入れ、値づけ、メニューすべてが独自路線だし、存在するか否かを含め、その街の雰囲気を反映している。
こちらもそんなお店の1つ。線路をはさんで南口に箱根そばがあるけど、北口のオジサンの胃袋を掴んで離さない。コウモリな私は、どちらも堪能するのです。
こちらは、どのメニューでも+50円で冷やしにできるシステム。壁いっぱいに貼られたメニューが悩ましい。手堅くたぬき、久しぶりに春菊天もいいな。
ふとここで、わかめ、山菜だけの「あげ玉サービス」の添え書きに気づく。油っけのないメニューへのテコ入れかな。ともあれ喜び勇んで冷やしわかめを選ぶ。
冷そばのツユは大別すると、濃い口、薄口、酸味系に区分できる。こちらは薄口タイプで、温そばと似たツユを冷やした、ごくごく飲めるタイプです。
まずはそばをズルリ。茹で置きのコシのなさこそ、立ち食いそばの本懐。淡麗なツユがよく似合う。ワサビを溶かせば、パンチもきいて、なおおいしい。
盛り沢山のわかめはザクザクとした食感が楽しく「カラダを労っている自分」に酔う。たぬきはいわゆる天かすで、春菊天の端っこがゴリゴリと歯ごたえあり。
そば通というと、一番粉を用いた純白な更科そばを尊ぶし、実際にお上品でおいしいけど、私は店の雰囲気含めて、こういうのが好きだなぁ、と再確認する。
ごちそうさまでした。