今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 17)月夜のばかしそば

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関ケ原というと天下分け目の決戦地。新幹線で通過するとき、山あいの集落に想いを馳せたりします。小早川めなにをやっておる、みたいに。

また、関ケ原は麺類のツユの分水嶺になっているそうで、この辺から東はいわゆる黒いツユ、西は透明なツユ、とタモリ倶楽部でやってました。


で、ここからは主に東日本の区分ですけど、麺類のたぬきときつねについてはおおよそ下のような語源のようです。

たぬき:天ぷらのタネ抜き、揚げ玉、天かす

きつね:稲荷神の使いであるきつねが好む油揚げ

武田鉄矢による熱心な啓蒙活動もあり、全国区となりつつある名称ですが、大阪では揚げ玉をのせたのは「ハイカラ」だし、イケズの京都さんにはきつねそばはないとか。委細を Wiki で何度読んでも覚えられません。ややこしいですね。


さて、月夜のばかしそば。とろろを雲に、ウズラの卵を月に見立て、その下でたぬきときつねが化かしあいをしている、盛りだくさんな一品。一般には、たぬきときつねを両方のせたものをムジナと言いますが、小諸そばではさらにひと工夫して小粋な名前となっています。

そもそもムジナとは、アナグマのことで、なんかその辺の動物を十把一絡げにして、見た目は同じだけど本質は一緒みたいに「同じ穴のムジナ」なんて言い回しもありますね。じっさい、たぬきやきつねがムジナの巣を拝借することもあるとか。


能書きはさておき、揚げ玉のサクサクを味わい、油揚げをひとかじり、さじでとろろと卵をすくったのち、そばをスルスルと食べ進めます。草に見立てたのか、ホウレンソウも大事な食物繊維だし、卓上にある入れ放題のネギも嬉しいですね。

さて、小諸そばは、カリカリ小梅があるのがポイント。豊富な丼メニュー用だと思いますが、そばを完食したあとに、口をサッパリさせられます。カリカリとカリウムとナトリウムを摂取して、最後にグラスの水をゴクリと。


ごちそうさまでした。