オヤツとしてのラーメン需要は実は大きいと思う。
健康のためになんて出かけた散歩で、一万歩を超えたそのときから、今日の健康ノルマ終了、以降は今日ぐらいはいいだろうタイムとなる。
なんたる怠惰、あふれる自己愛。でも意志の弱さには勝てぬのです。頭の中のラーメン屋マップを展開して、めぼしいところを見繕う。
ムムム、話題の新店は2時過ぎなのにまだ行列が。散歩あとに立って待つのはつらいので、もう少し足をのばすこととする。
やって参りました、大通りに面したカウンターのみのお店。2時過ぎでも客がパラパラ入っているのがおいしさの証。
食券機の左上、黄金地帯を占める味噌タンメンをポチッとな。返す刀でビールもポチッとな。ふふふ、散歩の仕上げにふさわしいではないか。
食券を渡しがてら、麺少なめ、味濃いめを注文。この時間にお腹を満たすと晩ごはんがつらい、オヤツラーメンとしての苦渋の選択です。
すると「2 分の 1、3 分の 2 ができますけど」と細やかなお心配り。
逡巡したのち 3 分の 2 を選ぶ。お値段同じなら、ハーフはないかな、というここにきての貧乏性。
ビールについてきたミニ冷や奴を食べていると「麺のほうご用意してよろしいですか」との再度のありがたい心配り。
お願いしますと返事をすれば、ジュウジュウと野菜炒めのいい音がする。
店内の味噌の効能書きをみながら出来上がりを待つ。曰く「コレステロール制御、ガン予防、胃潰瘍防止、老化防止」。
エビデンスなんて知りませんという感じの謳い文句が勇ましい。
で、ビールを半分ほどやっつけたところで、やってきました味噌タンメン。いかにもシャキシャキの野菜が湯気越しにみえるのが頼もしい。
思わずニンマリしていると「濃すぎたら言ってください」と三たびの心配り。
カウンター越しに人と人とのつながり、ラポールが結べました。なんちゃって。
まずは濃いめのスープをごくり。おう、野菜炒めのドレッシングがわりにちょうどいい味。
なんなら七味もかけちゃう。この期に及んで健康に気づかってモリモリとベジファーストを実行。
あとは、太めの麺をズルズル、あちち。ズルズル、あちち。ズルズル、ゴクリ、あっこれビールです。
なんか楽しい。そりゃそうだ、オヤツの時間だもんな。楽しくないわけがない。
濃いめのスープは、マイボトルに入れたいくらい好みですが、腎臓が許さないので、そこそこ残しての完食。丼ぶりの底の野菜を丹念につつくのが、宝さがしみたいで楽しいナ。
今度は、お腹すかせて、ディナーでこよう。野菜多め、味濃いめで、餃子もつけちゃおう。そう誓う、健康志向のオジさんでした。
ごちそうさまでした。