ゆでたまごというと、屁のツッパリはいらないあの超人を思い出します。ハイ、昭和生まれです。
破天荒な展開ゆえに先が読めず、幼心を鷲掴みにされた思い出。キン消しで知恵の輪マンがダブったときのやり場のない怒りが懐かしい。
閑話休題、ゆで玉子。最近ではサラダやサンドイッチの材料というイメージが強い。単品でコロンと出てくる類いの食材ではない。
個人的には遠足のお弁当で、塩をまぶして丸ごと食べた印象が深い。
ノドに詰まりそうなみっしりした黄身を、水筒の麦茶で流し込む、あゝ昭和は遠くなりにけり。
しかし、ラーメン界においては、ゆで玉子はまだまだ主役級。おもに味玉として、トッピングヒエラルキーの上位を占めています。独断です。
そもそも、味玉っていつ頃から出回ったんだろうか。プルプルの白身に、トローリとした黄身、彩りとしても、味わいとしても優秀なトッピング。
藤岡琢磨が勧めていたサッポロ一番塩ラーメンではありきたりの、ごくふつうのゆで玉子だった気がする。
初出はともあれ、平成の世にいつの間にやら広がったのではないだろうか。
能書きはさて置いて、ラーメンをすする。トリのダシがきいたスープと麺がよく絡み、すするたびに鼻を抜ける風味がおいしい。
件の味玉は、まず箸で半裁。黄身をはずし、スープに浸してパクリ。うっとり、ネットリ、間違いのないお味。
そして、ドーム状に残る白身にスープを満たして、ひと口にいただく。デリシャス。
小さい頃は、白身をスプーンがわりにサッポロ一番のスープを飲み続けましたが、オトナだし、外食だし、さすがに1回でガマン。オトナってつまらんな。
麺類はとかく早食いになりがちなので、意識してゆっくり食べる。さほど消化には変わらないだろうけど、なんとなくのマイルール。
ほどなく完食ののち、グラスの水を飲み干して、とりすぎた塩分の免罪符とする。
こんど、家でつくってみようかな、味玉。醤油と味の素に漬け込むのがいいかな。
個人的には、黄身トロトロより、パサパサがいいな。なーんて食後にすぐ考えられるのは、健康な証拠だな。
ごちそうさまでした。