今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 732)昔ながらの醤油ラーメン in 富士そば


冬の寒い夜、机に向かっていると遠くからチャルメラの音が聞こえる。やがて近づいてくる蠱惑の音色に惹かれ、寒いなかドテラを羽織って屋台を呼び止める。


そんなトキワ荘住民のような話は、令和の世の中には存在するのだろうか。小腹がすけば湯を沸かして、3分間待つのだよ、が当たり前ではないか。


ゆえに、昔ながらの醤油ラーメンというものは、少年の日の幻影であり、メーテルのごとき存在である。そういえば、星野鉄郎はラーメン好きだったっけ。


さて、こちら富士そば。幻のはずの「昔ながらの醤油ラーメン」がその名もズバリ食べられる。幸いにまだ朝早く、茹だるような暑さになる前に食べちゃえ。


お得な朝そばの時間帯に意外な注文なのかな、食券を出すとひと呼吸おいて注文が通る。麺が茹で上がり、手早くトッピング。おっちゃん、ネギは手づかみか。


さて、カウンターでラーメンコショウをザブザブふっていざ着席。スープを飲めば、鶏ガラ、醤油、ごま油の三重奏。リアル出前一丁のような正統派です。


麺は中細で、ゆるやかにウェーブがかかり、茹でたてのはずがクタクタで、たがそれがいい。土曜日の昼に、母親がつくったラーメンを思い出す郷愁の味。


我に返って具材をつつけば、メンマはサクサク、固ゆで玉子の黄身はホコホコ、ニンマリしながら食べていく。残った白身にスープを入れて飲むのが楽しい。


薄いチャーシュー、くにくにのワカメも嬉しく、ズルズル食べればあっという間に食べ終わる。今度は紅生姜天あたりをトッピングしようかな、ビバ富士そば


ごちそうさまでした。