出遅れたお昼休み。狙いを定めた店はすでに満席で、ふらふらと街を歩く。
ふとみれば、狭い間口の立ち食いそば屋さんに空き席があるので、吸い込まれるように暖簾をくぐる。
立ち食いと書いたけど、テーブルやイスもあるので、正確にはセルフそば屋さんなのかな。
ともあれ、はじめての店だけに、大きな食券機の前でひとしきり逡巡する。
ラー油肉そばとやらもおいしそうだけど、初見の店で千円近くはリスキーかな。おや、あそこのお姉さんが食べてるのは天丼か。
などというまに、ウインナーそばに気づく。なんだこれ。写真がないからよくわからないけど、名前のインパクトは抜群だナ。
当然のようにポチッとな。ここであったが 100 年目、一体全体どんな子がやってくるものかお楽しみですね。
カウンターに「そばで」と食券を提出し、グラスに水を注ぐ。カウンターの隅が運よくあいていたので、呼び出しを待つ。先客は天ぷらせいろだね、美麗な盛りつけにこちらの期待も高まる。
さて、やってきたのはそのまんまウインナーそば。看板に偽りなく、小細工なしの、どストレートなひと品。
外角低めにズバッと真っ直ぐを決められたような爽快感。
はじめての店だから、まずはツユを確認。おっ、みりんのきいた甘めのツユがいいね。お次は七味をパラパラとふりかけて、そばをたぐる。
うん、期待通りのセルフそばクオリティ。こういうのでいいんだよ。攻めなくてもさ。
さて、ウインナーへ向かうタイミングが難しいけど、序盤でまずは1本いっとくか。
おっ、パリッと皮の弾ける感覚はボイルしたてだね。っていうか、待ち時間はそば茹でではなく、ウインナー茹でだな、きっと。
和と洋、われわれ日本人がいくつも越えてきた壁がまた1つなくなりました。食べてみて違和感はない。アリ、大アリ。でも、白ご飯のほうが合うかな、多分。
とはいえ、旨いに違いなし。虎の子のウインナー3本は、序破急、のタイミングで食べるのがよろしいかな。
最後に、ウインナーの肉汁がしみ出たツユをゴクリ、ゴクリ。塩分を気にして、飲み干さないまでも気持ち多めに喉を通す。
やはり、こういう独立系の店の攻めたメニューも侮れないな。お目当てが混んでたから生まれた偶然の出会いに感謝。また、そのうち食べたくなる味でした。
ごちそうさまでした。