昭和の頃と比べ、野菜はおいしくなった。テレビをみても、ふた言目には生で食べて「甘〜い」「みずみずし〜い」と叫んでおり、品種改良や栽培の工夫に頭が下がる。
特にピーマン、ほうれん草、春菊などの緑黄色野菜は進化が早い。幼い頃に悶絶したエグみや苦みがなく、確かに生食もやぶさかではない。日本の農業、畏るべしだ。
さて、本日は明日葉天そば。ブログを見るに2年ぶりですね。こちらは、食券、セルフの店ながらも茹でたてそばを出してくれる本格派。番号札を受け取り、席で待つ。
明日葉というと、セリの仲間の多年草で、伊豆諸島や伊豆半島、房総半島といった比較的温暖な地域が産地である。収穫しても明日には葉がのびるから、明日葉という。
その生命力を食べるわけで、アラフィフとしてはありがたい。2、3分待って呼び出しがかかり恭しくそばを受け取る。ツユをひと口飲むと、熱くてダシがきいている。
茹でたてのそばは太さが不揃いで、短めなので少しずつすする。お楽しみの明日葉天は、ツユ側はふにゃふにゃ、反対側はサクサク。野趣あふれる苦味がたまらない。
都内に染まった春菊やほうれん草が忘れちまった故郷の味。伊豆大島から出てきた明日葉は忘れていません。そんなイメージのワイルドさにしびれつつ箸を動かす。
基本的にツユが熱いので、デコから汗がにじみます。客足は途絶えることなく、都度茹での意地を見る気がしました。アラフィフの私も大事なことを忘れてはいまいか。
ごちそうさまでした。