今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 77)カツ丼

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小さい頃の夏休みを思い出すと、30℃を超える日なんて数えるほどで、熱帯夜なんて驚くくらいだった。


なのに、今や都内は亜熱帯と言えるような気候で、スコールよろしくゲリラ豪雨が降る。


まあ、外気の具合とは無関係に 12 時になればお昼休みで、お腹がすいていればランチを食べに外を歩かねばならない。


しっかし、暑い。雲が出ているのに暑い。一時期の体温みたいな外気よりはましだけどさ。それでも室外機やアスファルトが、熱心に熱をはきだしてます。


とはいえ今さらエアコンのない生活にも戻れないし、今できることは耐えること。


さて、這々の体でたどり着いた定食屋さん。不定休なので入れただけでもありがたや。


メニューを2周見回して、選んだのはカツ丼。ブタミンでスタミナつけにゃあならん。


店内はエアコンがきいているものの、カウンターは厨房に近く、背中は涼しく、お腹は暑い状態。


ただ、キッチンではオカアサンが火の元を取り扱って調理してくれているのだ、文句などない。


さて、やってきたカツ丼さま。どう見てもお重に入っているけど、カツ丼さま。


うやうやしく箸を割り、まずは熱い味噌汁をひとすすり。人参、タマネギ、ワカメ、野菜沢山がうれしい。


フタをあけ、ひとしきり眺めたのち、卵を攻める。卵、タマネギ、ご飯。卵丼だと思って食べすすめる。甘みが強いダシでとじられており、ひたすらおいしい。


うまいの語源はあまい。そんな話が東村アキコの「ひまわりっ」にのってたっけ。10 年以上前に読んだマンガをふと思い出す。


そして、本丸のカツをひと口。アチチ、しっとりと卵をまとうカツは掛け値無しにおいしい。


小ぶりながら、キシキシとかたく、肉を食べてますって感じられてうれしい。


小鉢の煮物はシラタキかな。常温だけど熱さにやられた口内にはちょうどいい箸休め。


その後もご飯&卵を先行して食べすすめると、残るはカツふた切れと、少々のご飯。


ふふふ、楽しい割合じゃわい。カツでご飯をかき集めては、パクリ。そしてカツもガブリ。


すると、残るはカツがひと切れ。ビールが欲しいな〜なんて思いつつ、ひと口でパクリ。


ゆっくり、ゆっくり噛む。ゆずがゆっくりと坂道をくだるように、ゆっくりと噛む。そんなオレの夏色。


最後に、添えられた粉茶をゴクリ。熱い、暑い、夏色。


ごちそうさまでした。