蒸し暑い日に辛いものを食べて、いっそ汗をかききってしまおうという、確実にどこか間違えた健康法。だが、それがいい。
いつもの人気店も昼下がりは行列がなく、これ幸いとカウンターに滑り込む。さあ、力いっぱい汗かいたるでぇ。
注文すると辛さを確認される。レベル2=辛口がオススメのようなので、胃腸とも相談のうえ無難に従う。
からすぎると、味がわからないうえに、内臓が悲鳴をあげますんでね。
さてやってきたのは、唐辛子と山椒が散りばめられた一杯。茶色のスープが「あ、生半可な気持ちで食べないでくださいね?」と語りかけてきます(幻聴)。
まずはスープひと口。ウヒョッ、熱くてからい。わかっているのに不意打ちのようにからいもんだから、意外な感嘆詞が浮かびますよ、はい。
しばしトロミのついたスープを舌で転がし、からシビを堪能して、麺をとりあげる。
うん、濃厚なスープが太麺によくからんで、予想以上にキテます! これからの戦いの厳しさを予感させるね。
生玉ねぎは熱々のトロミですぐに半煮えに。シャキシャキ甘みが感じられ、ちょうどいい清涼剤になります。
豆腐はトロミにまみれ、殺意のあるような熱気で私を喜ばせます。
ウヒョッ、のどがかゆい。唐辛子がダイレクトでノドチンコについたかナ。流石にこれはすぐにグラスの水で鎮火。ちょっとイタイ。
お隣さんはライスも注文。チラッと見ればなるほど、トロミがついたままのスープと具材でミニ麻婆丼をつくるのか。それもおいしそうだけど、そんなにお腹にアキはない、無念。
さて、ひき肉たっぷりのこちらのメニューには、やはり穴あきスプーンが欠かせない。頼もしい回収力をもって、具材とスープを選り分けてくれます。
ひき肉をワシワシとかみしめれば、食感は麻婆豆腐そのもの。汗が止まらないので、毒くらわば〜の精神で卓上の山椒を追加してみる。ついでに揚げニンニクもふりかけてみる。
いよいよ完全体に近づいたわがラーメン。
フリーザの完全体がアッサリとした印象であるように、こちらもトロミがなくなってアッサリとしました。いや、からさは相変わらずですけどネ。
グラスの水を甘露がわりに、汗だくの戦いを終える。汗は裏切らない、汗をかいたぶんだけ強くなっているんだ(主に胃が)、きっと。
ごちそうさまでした。