今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 214)開化丼

f:id:socius_lover:20200624173837j:plain


丼ぶりものが食べたい。そんなランチタイム。ひと口に丼ぶりというけど、牛丼、カツ丼など専門店ではなく、雑多な感じを求めて街そば屋へ。


壁のメニューには、玉丼、親子丼、カレー丼、カツ丼など、期待通りいろいろ揃ってるねえ。ワクワクしながら、ふと、開化丼があるのに気づく。


たしか豚肉や牛肉を卵でとじた、親子丼ではなく他人丼のことだよね。文明開化のころ、肉食が解禁されたから開化丼というんじゃなかったかな。


親子丼も、まず血縁ないだろうけどサ。ユダヤ教ではチーズバーガーが禁止だけど、親子丼もダメかな、などどうでもいいことを考えつつ待つ。


やってきました、開化丼。トロットロの卵の美しいこと! まずはひと口、甘〜い。そばツユと同じく、かなり甘さの勝った味つけは絶品だネ。


こちらの開化丼は豚肉だね。キシキシとした豚肉の肉感と、卵のまろやかさ、鮮やかなツユの旨み、そしてそれらを吸い込んだ、あきたこまち


ハフハフ、うまうま。タマネギ、長ネギがたまに歯ざわりよくて、楽しいね。これは、親子丼の変化球ではなく、開化丼として評価せねば。


散切り頭を叩いてみれば、文明開化の音がする。そんな教科書のフレーズを思いつつ、底に残った汁だくご飯をかき込んで、ご一新はお仕舞い。


ほうじ茶を飲んでまったりしていると、後客さんがやってきて「冷やしきつねの〜油揚げ抜き!」と意外な注文をするので、耳が離せなくなる。


店員さんは「キュウリとナルトだけになりますが? たぬきにします?」と気遣うも「いいの、サッパリいただくのよ」とマイペースな常連風。


もりそばでよさそうなもんだが、こちらのぶっかけそばの酸っぱいツユはおいしいもんな。人生いろいろ、食事もいろいろ。とりあえず、満腹だ!


ごちそうさまでした。