蕎麦屋のラーメンに間違いなし。そう心に刻んでいますので、チャンスは最大限に生かします。今日はカツ丼腹だったのですが、じっと我慢の子。
カツ丼は砕けない。その地位は確かなもので、私の目の黒いうちになくなることは絶対ない。しかし、蕎麦屋のラーメンは、絶滅危惧種なのです。
カツ丼を頼もうと心に誓っていたのに、ふとカウンターを見れば小さい POP に気づく。メニューにはない蕎麦屋の支那そばに目は釘づけです。
「鰹出汁香る!」の文字が躍り、あっという間に心変わり。君子豹変す。知らぬ間に築いてた自分らしさの檻から抜け出し、支那そばを注文する。
一升瓶が壁際にずらり並び、夜は一杯飲めそうな店だから、〆ラーメンの位置づけなのかな。蕎麦屋で飲むなら最後はせいろがおすすめだけどね。
などと思っていると到着。雷文の丼ぶりが泣かせます。みたところ、ナルト、メンマ、チャーシュー、海苔の正調醤油ラーメンは嬉しい限りです。
スープには油が浮かび、湯気が出ていない。匙でひと口飲めば、なるほど確かに鰹出汁がすごい。醤油味も濃いめで富山ブラックラーメンみたい。
ずばりライスが欲しくなる味で、ラーメンとともに卵かけご飯(TKG)単品が勧められていた理由がわかりました。コショウをふって食べ進める。
凛とした海苔、しょっぱいメンマ、脂のりのよいチャーシュー、彩りのナルト、食感の刻みネギ。すべてが様式美で、お手本のような一杯です。
藤子不二雄のまんが道で食べていた夜泣きラーメンって、きっとこんな味だろうな。食べたこともないのに、どこか懐かしい気持ちになれました。
ごちそうさまでした。