押しも押されもせぬ老舗の喫茶店。仄暗い落ち着いた店内は、調度品含めてひとつの様式美ですな、素晴らしい。
最近、喫茶店の閉店が過去最高との記事を読みました。スタバのようなチェーン店や手軽なコンビニなど、敵は多くて、屈強なのはわかります。
実際、私も学生の頃は小銭を惜しんで、サークルの溜まり場で缶コーヒーを飲んでましたし。喫茶文化の危機ではなく、多様化も原因かと。
そもそも、コーヒー豆自体が中国での消費増もあって、今後確保が大変なんだとか。こうなると商社も絡んできて、ますます大規模な話です。
閑話休題、こういう老舗にくると、やはり食べたくなるのがナポリタン。ケチャップベタベタのナポリタン。
ナポリになかろうとどうでもいい。デートできているわけでなし、多少クチビルにケチャップがつくのもステキでユカイなナポリタン。
アイスコーヒーをチロチロ舐めていると、やってきました、マイナポリタン。まぁるく器用に盛り付けられた大量の麺にニッコリ。
サラダを食べつつ、片目で具材を確認する。ベーコン、マッシュルーム、玉ねぎ、ピーマン。なるほど、さすが老舗、正調のラインナップだな。
うず高い山にフォークで挑む。くるくる巻いてはパクリと食べればケチャップまみれ。懐かしくもあり、楽しくもある。
それにしても、ボリューミー。食べても、食べてもなくならない。普段なら箸を置くような腹具合でも、まだ五合目くらいだぞ。
ほんと、来るたびに注文して、来るたびに食べ切れるかドキドキして、次回来ると何もかも忘れてまた注文する。そんな魅惑のナポリタン。
やっとの思いで食べ切って、残るアイスコーヒーをスルスル飲む。苦味が、口の中に残るケチャップを洗い流してくれる。
学生の頃に一度だけきたこちらのお店、佇まいがそのままなのがうれしい。休日は行列もできるほど人気だから、なんとか続いて欲しいな。
また、こよう。そして懲りもせずナポリタンを頼もう。がそんな、思い出も残るかな。喫茶店。紅茶がおいしい喫茶店。
ごちそうさまでした。