今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 104)よくばりクォーター

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店屋物に憧れがあった。


私の実家は、母が添加物を嫌ったからか、外食をしない家だった。何年かに一度、父が好きな寿司を外食するくらいで、店屋物など夢のまた夢。


母には悪いが、大学から家を出て添加物にまみれた食生活。主力はカップ麺、マック、吉野家。野菜はたまの学食でキャベツの千切りくらい。


そんな自分が親になると、添加物を避けて通れず。外食、中食はもちろんのこと、家庭料理だって、ついついカット野菜なんかに頼る日々です。


さて、家人それぞれ用事があり、娘と2人きりの晩餐。何が食べたいか聞けば、キムチ鍋か、ピザとのこと。むう、2人鍋よりは、ピザかな。


近所のピザ屋さんは、持ち帰りだとおトクになるので散歩がてら店舗に向かう。軒先には何台ものバイクがスタンばっている。


配達ばかりは AI には負けられない仕事ですね。でもやがてドローンとかになるのかな。事務職としては安穏とできないな、と暗くなる。


気を取り直して、よくばりクォーターを注文。コンビニにビール買いに行ったりして、出来上がりまでの 20 分をつぶす。


できたてピザを恭しく持ち帰り、手を洗ってご開帳。香ばしいにおいと、チーズの香りがタマランチ会長です。はい、昭和のギャグです。


ビールとピザの相性なんて言うに及ばず、食べ盛りに負けじと食べ進める。ひと口目はそのまま、ふた口めはタバスコ、などと密かに楽しむ。


ビールが進んだせいか、意外と満腹が早いな。外食、中食に飢えていた若い頃なら1枚いけたな、なんて思いつつ、最後の1切れは娘に譲る。


小市民の贅沢ここに極まれり。今度は人数増やして、いろんな種類が食べたいかな。家庭の惣菜にはない、小悪魔の魅力があるよね、ピザ。


油っこい手を丹念にぬぐって、ビールを勢いよく飲み干す。さて、あとはひたすらに晩酌タイムだね。おつまみは、のりチーズにしようかな。


ごちそうさまでした。