今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 237)ちくわ天そば

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立ち食いそば界隈にも得意分野がある。攻めるメニューの箱根そば、攻めすぎる富士そば、オーソドックスな小諸そば戦いは数だよゆで太郎


ヒエラルキーではなく棲み分け。みんな違ってみんないい。その日の気分で店を選べば無問題。胃腸が何やらもたれる今朝は、ちくわ天気分。


芯のない、やさしい食感に癒されたい。かき揚げや揚げ玉は店によって、硬くエッジがきいてるけど、ちくわ天は万国共通でやわらかいだろう。


で、こちら梅もとのちくわ天はロングサイズが2本並んで壮観ですねえ。バッファローマンのロングホーンを思い出すビジュアルにニンマリです。


パチリと箸を割り、ウキウキとちくわ天をハフハフと食べれば、東海林さだお先生のエッセイを思い出す。そう、ちくわの成り立ちの話です。


白身魚が釣られて、さばかれて、練られて、焼かれて、ようやくちくわになる。あげく衣をつけられ、揚げられてちくわ天。原形みじんもなし。


和食は素材を生かすと思われがちですが、ちくわ天を食べるときに、白身魚の風味を感じて食べたことがない。と言うより魚とすら意識しない。


そんなちくわ、というより名も知らぬ白身魚の苛烈な運命を思いつつ、ちくわ天をかじる。サクサクの衣がツユでしっとりして、ベリーグー。


半裁とはいえ2本もあると食べでがある。そばをすすりつつ、ふやけたボディとなったちくわ天を食べ終え、水をガブリ。練り物はノドが乾くネ。


さて、張り切って働きまっしょい。


ごちそうさまでした。