モッツァレラそば。無罪モラトリアム、勝訴ストリップといった椎名林檎のアルバムにありそうな意外な和語とカナのマリアージュにひかれる。
肉ラー油そばがおいしそうだと看板を覗いたときに気がつきました。one of them みたいな顔してるけど、アンタかなりのインパクトだよ。
肉そば以外は、ごく普通の立ち食い系なのに、なんで攻めるかねえ。程なくやってきたそばには、看板に偽りなく、薄めのチーズがのってます。
まずはツユをひと口。みりんの甘みが強くて、熱めなのは好みだな。そばはごくごくオーソドックスで、ともすれば印象に残らない無難さ。
そこに、モッツァレラ。たしか水牛からつくるチーズだけど、こちらがそこまで本格派かはわからない。ツンツン突くと、やわらかくなっている。
最初はカチッとした印象だったのに、すぐにフニャフニャと馴染んでくる。まるで新入生のようだね、などとどうでもいい感想が浮かぶ。
チーズは黄身のように溶け出したりせず、かたまりのまま、ふわふわ浮かぶ。ひとつつまめば、ニチニチしたチーズの食感がおもしろい。
その風味はツユに負けず、おまけに熱を帯びてピッツァばりに伸びる。なんか楽しくなってきたところで、そばもモッツァレラも食べ終える。
すると、何も具材がなかったかのような一面のツユ。奇面組が夢だったかのように、桜木花道の4か月が夢だったかのように、ただツユのみ残る。
おいしかったけど、次は肉そばにしようかナ。
ごちそうさまでした。