今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 382)旨玉本枯中華そば

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久しぶりに訪問したそば屋さんが、もぬけのカラになっておりショック。強気の価格設定か、坂の上という立地か、外食受難の時代ですねぇ。


で、普段来ないエリアで立ち尽くす。Englishman in New Yorkのような所在なさとなるも、ランチタイムは限られている。次善の策をねらねば。


すると、すこちらの行列店にスキがあったので、すかさずドアを開ける。久しぶりだけど、ダシの香りが漂うのは相変わらずでホッしますね。


3種類のトッピングが選べるんですが、分母となる品数が多く、とっさに選ぶのは難しい。とりあえず、玉子はついてるから、うずらの卵は却下。


こういうとき店のオペレーションを乱したくない小心者なので、さも最初から決めてましたという顔をして、メンマ、ノリ、きくらげをチョイス。


こちらはサイフォンでダシをとるのがウリ。サイフォンで色か濃くなりつつあるダシを見つめて待つ。どことなく理科の実験っぽくて目が楽しい。


さて、やってきたのは素ラーメンと別皿の具材。盛り付けのセンスが問われますが、彩りが地味。下半分が真っ黒で、ナルト頼めばよかったかな。


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ともあれ、とれとれこダシは香りまでごちそう。富士山に月見草が似合うように、細ストレート麺がよく合います。ダシを吸ったノリもおいしい。


きくらげは麺とともにすすり込むと、食感のアクセントが素晴らしい。スープにキラキラ浮かぶ油は鶏油かな、旨味が強くてまさに黄金の味です。


玉子を割れば、スレスレ火が通っており、淡麗なスープを濁らせない。サイフォンという新奇性のうえに上品さを追求しているお上品な1杯です。


隣の紳士は、律儀にレンゲを動かして、ひと口ずつスープを飲み干している。共感しかないけど、胃弱なわたしは、無理せずにレンゲを置く。


ごちそうさまでした。