箱根そばが幅を利かせる小田急沿線。その鉄の結束に楔を打ち込むかのように、駅近くにたたずむ富士そばをみつける。飛び地探訪気分で入店。
学生街なので、そば、ラーメン、うどんのいずれか麺2玉にミニコロッケカレー付きのセットが。学生ってこんな食べられるのか、記憶にないな。
ともあれ、どれだけおトクでもアラフィフの胃に収まる量ではない。おとなしく、コロッケそばをポチリ。揚げ物ですし、歳なりには攻めてます。
さて、モーニングの終わった時間帯。タイミングがいいのか悪いのか「そば茹でますんで、お待ちください」とのこと。演歌を聴きつつ水を飲む。
待つ時間も食事のうち。演歌が身にしみてきた頃に呼び出され、いそいそと受け取る。茹でたてのそば、黒いツユ、そこに横たわるコロッケ。
まずはそば、アツアツのダシと合う。茹でたてと思うとよりおいしい。お次はコロッケを箸で切り分けてパクリ。ダシを吸って、絶妙な味わい。
イモはねっとりした舌触りで、具材はミックスベジタブルたち。さほど固くないので、モロモロ崩れて溶け去らないよう、細心の注意を払う。
途中で七味をふって、香りと辛みを足したのち、一気呵成に食べ尽くす。丼ぶりを持ち上げ、コロッケのかけらをかき込めば、口福の極みに多謝。
目黒のサンマの殿様は、庶民の味に感激したわけで。ならばコロッケそばの喜びだって、もっと広まっていいはずです。口を拭いつつ、そう思う。
ごちそうさまでした。