今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 703)厚肉玉そば in 豊しま


私は朝昼かまわずそばを食べる。汁物が好きだし、ラーメンより背徳感が少ないので、1週間食べないことがない。ところが、そば屋は猛烈に減っている。


会社の近くだけでも、ここ10年のスパンでみれば、20軒以上は閉店したと思う。後継不足、パイの奪い合い、原因はいろいろだろうけど、寂しいものです。


で、こちらはビルの再開発でなくなった立ち食いそば。56年経って、まさかの復活です。嬉しいやら、驚くやら。さっそく名物の肉そばを食べにゆく。


開店して程ないので店内はピッカピカ客はオジサンを中心だけど、肉そばの映えを狙ったのか若い女性もチラホラ。先払いして、丼ぶりを恭しく受け取る。


まずは黒いツユ。ダシはほどほどで、正しく塩っぱくてアツアツ。昼時なのでそばは茹でおきにさっと湯通し。ザ・立ち食いそばって感じ、これでいいんだよ。


以前食べた立ち食い店のうどんが「実写版赤いきつね」のようだったけど、こちらはさながら「実写版緑のたぬき」。立ち食いの矜持を感じる一杯にニンマリ。


https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2019/08/18/072600


主役はもちろんそばだけども、もう一方の主役は丼ぶりからはみ出さんばかりの豚肉です。そばがアムロなら、肉はシャアと言っても過言ではないでしょう。


箸で持ち上げ、端っこをガブリ。適度に繊維質は残るけど、基本的にはそばに合うようにやわらかい。ツユに脂を滲ませつつ、ツユから旨味を吸い上げます。


たぬきもサクサクが実に嬉しい。熱いツユで煮える前に白身をチュルリと飲んだら、七味をサッとかけて一気呵成にそばをすすり、ガブガブと肉を食んでゆく。


ビールよりも芋焼酎が似合いそうな肉だなぁ、としみじみ思う。途中で黄身を割れば、そばにも肉にも濃厚な味わいが加わり、この世の果てのようなシアワセ。


しかし、イスのない正調立ち食い店なので長居は無粋。いつもよりも気持ち早く食べ終えて、水をガブリと飲み干して、丼ぶりを返却口へと下げました。


また来ます。ごちそうさまでした。