今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 509)肉南蛮そば

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軽くそばでもたぐろうかとそば屋のノレンをくぐるものの、ダシの香りでにわかに空腹感が増す。軽くて、重いもの。二律背反する命題に悩む。


丼ぶりものはずっしり重いし、たぬきでは軽すぎる。かき玉そば、天ぷらそばなどが目につくも、ふと、肉南蛮に思い至る。ちょうどよさそうだ。


ところで、そば屋で「肉」というと豚の薄切り肉を甘く炊いたものを指すことが多い。牛肉ならば牛肉そばと名乗り、鶏は親子〜でくくられる。


単純に、そば=東日本、うどん=西日本の構図でとらえると、豚肉=東日本、牛肉=西日本といった食文化の話かもしれない。ともあれ肉南蛮。


こちらで肉南蛮を食べるのは初めてですね。まずは豚肉をひと切れパクリ。くさみはなく、初雪のように儚い肉は、ホロホロと口内で崩れ去る。


こちらはツユが濃いめなので、比べて豚の味つけはサッパリ感じられる。そぎ切りのネギとともに食べれば、豚鍋を食べているような味わいです。


そばとともに肉をすすり込む感覚で、小諸そばの香味肉うどんを思い出す。街そば屋の懐の深さが感じられますね。今度、他人丼も食べてみよう。


ごちそうさまでした。