今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 521)カレー丼と蕎麦

 

 

カレーが食べたいと思ってもそれだけでは何も決まらない。ココイチのようなオーソドックスなチェーン、印僑が営む本格派ナンの店、喫茶店の個性豊かな欧風カレー。

 

そんな3択ならまだいいけど、そば屋や街中華の出すあっさり風味も捨てがたいし、なんならカレー南蛮も見逃せない。さすが国民食、世のなかカレーまみれである。

 

ともあれ、本日はカレー腹。中華のガッツリカツカレーがいいかな、と店をのぞけば満員御礼。火のついたカレー熱は冷めやらず、近くのそば屋のノレンをくぐる。

 

メニューをみると、カレーうどんは揚げもちのせらしく心のキープ籠に入れておく。あとはランチセットのカレー丼とそばも気になるな。若きウェルテルのように悩む。

 

で、カレー丼のセット。そばを味噌汁代わりにカレーを食べようという寸法です。ようやくひと息ついて、水を飲みつつ到着を待つ。ダシのきいたカレー、楽しみだ。

 

やってきたカレー丼は思ったより小ぶりだけど、そばがあるからまあいいや。辛さはボンカレーの甘口くらいで、シャキシャキの玉ねぎがいかにもそば屋のカレーです。

 

たぬきそばのツユはクセがなく、カレーの風味を生かさず殺さず。クニクニの揚げ玉もろともそばをすすりこめば、カレーの辛みとツユの熱で、お腹がポカポカです。

 

再び、カレー丼。ヒラヒラの豚肉にカレーが絡んで実に愉快。そば屋のカレーは、こうでなきゃ。理想を体現したような丼ぶりに大満足しつつ、そばとともに食べゆく。

 

カレーに取り憑かれていた腹は、あっさり厄落としされ、すっかり満たされている。カレーの最後のひと口を食べたあと、そばツユをゴクリ。美しい食事のフィナーレ。

 

ごちそうさまでした。