今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 347)鯵の押寿し

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自粛ムードの日々。自宅にいながら旅情が味わえる駅弁はありがたい。で、遠方の駅弁もいいけれど、かえって近場の駅弁こそ縁がないと気づく。

 

本日買ってきたのは鯵の押寿し。神奈川県大船駅の名物とのことです。日帰りできるし、特急に乗る距離でもないので、食べたことありませんね。

 

なんでも100年以上続く、歴史と伝統ある駅弁とか。湘南、鎌倉あたりで魚介といえばシラスの印象が強いけど、以前は鯵の水揚げ地だったとか。

 

包みの裏をみれば「大正の頃、相模湾で湧くようにとれた鯵を使って、押寿しをつくったのがはじまりです」とのこと。湧くようにってすごいな。

 

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製法も「関東風に握り、関西風に押す」らしく、確かに柿の葉寿し、ますのすしなど駅弁には押寿しが似合う。箱の中にはかわいいお寿しが8つ。

 

1つつまむと、酢締めされた寿しがほどよく口腔を満たして、飲み込む頃にはもう1つ放りこんじゃう。このサイズ感がロングセラーの秘密だな。

 

醤油をチラリとかければ、醤油のまろみと鯵の脂が争って味を昇華してゆく。「うまいぞぉ〜」とミスター味っ子の審査員ばりに叫びたい。

 

で、食べてしまえばあっという間ですが、お腹の物足りなさも駅弁の醍醐味。だって、旅路ならおいしい現地のごはんが待ってるはずですからね。

 

大船って大きな観音がある駅だよね、何かの折に立ち寄りたいな。さすらいもしないで、このまま死なねぇぞ〜と奥田民生の歌を思い出しました。

 

ごちそうさまでした。

 

しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。