男子たるもの、出処の怪しい知識をひけらかしてナンボである。民明書房だの、五島勉だのを真剣に信じていた純粋な少年時代でした。
長じてメディアリテラシーが身につき、玉石混淆の情報を鵜呑みにはしません。それでもマスターキートンには全福の信頼をおきます。
砂漠にはスーツ、犬は舌をつかめば無力化する、ティラミスの意味は「私をハイにして」など、絶妙に日常生活に役立たないのがよい。
そんなキートン知識の1つ、「豚の唐揚げの下味に、ほんの少しウイスキーを入れると香ばしい」ことを思いつつ、排骨担々麺を待つ。
排骨すなわち豚の唐揚げがのったハイカロリーなこちら、たまに無性に食べたくなります。野生が失われぬうちに、一生分食べとこう。
まずはスープの上澄みをゴクリ。ペースト状の芝麻醤(チーマージャン)は、甘くてコクが深い。胡麻の旨みを濃縮還元したお味です。
細麺をすすれば、濃厚な胡麻と、サラリとしたスープがタッグを組んで攻め込んでくる。さながら2000万パワーズのような破壊力。
主役の排骨は揚げたてで、カリカリながらスープをしっかり吸い上げており、その食感を例えるなら、しっとりした湖池屋スコーン。
もちろん、豚肉はしっかりおいしく、私のオナカの富栄養化が進むこと間違いなし。途中で青梗菜の茎でお口直しすればサクサクです。
サービス玉子も、黄身がホコホコしておいしい。トロリ半熟もいいけど、母親が遠足に持たせたような、固ゆで玉子も懐かしいよね。
漫画で得た知識は、忘れないなぁ。学校で習ったことをすべて忘れたあとに残るのが教養とは、アインシュタインの言葉だったっけ。
ともあれ、途中コーレーグスで辛味を足して、汗を拭きつつおいしく完食。食後にジャスミン茶を飲んで、火照った心身を冷やします。
ごちそうさまでした。