イタリア発のスイーツは、定期的に流行する。美食の国というのもさることながら、緯度が近いから日本人と食の嗜好が合うのだろう。
ジェラート、ティラミス、パンナコッタはすっかり定着したけど、こんどはマリトッツォらしい。イタリア語で「夫」が語源とか。
さながら「父っつぁん」とでも解釈すればよいのか。丸くて小ぶりなパンに、はみ出さんばかりのクリーム。カロリー爆弾のようなひと品。
で、すぐにブームにのるのが日本人たる証です。街のパン屋さんならまだしも、持ち帰り寿司屋までが参戦、その名も「寿司トッツォ」。
パンが酢めし&海苔、クリームがネギトロにそれぞれ置き換えられ、魔改造にも程がある。でも、約束されたおいしさには抗えない。
どこから食べればよいものか。少し醤油をつけて、大きく口をあけてガブリ。ネギトロのとろりとした旨みが、口に流れ込んでくる。
粘り気ある海苔だけでなく、タクアンも潜んでおり、ポリポリと賑やか。茎わさびもいぶし銀の働き。なるほど、これはよいものだ。
握りこぶし大のボリュームは、思ったより腹にたまる。ほかにもいくつか巻き物を買ったので、嬉しい誤算ながら、お腹パンパンです。
先発文化をとりこみ和風にローカライズする、日本人の習性そのものの味ですね。しかも、おいしい。マリトッツォも食べてみるかな。
ごちそうさまでした。