「秋ナスは嫁に食わすな」とは、おいしいから食べさせない意地悪とも、体を冷やすから避ける優しさとも言われる。ナスの旬はいつなのだろう。
調べれば、夏〜秋にかけてというザックリ長い季節らしい。でも、ありがたいことにハウス栽培もあるので、肌寒い季節でも楽しめるわけです。
ナスを食べるというと、まずば漬物が頭に浮かぶけど、やはり油と相性がよい。中華とか、煮浸しとか、スポンジのように油を含んで味わい深い。
で、そば屋さんの気まぐれメニューに揚げナスそばをみつけ、ウキウキと注文。こちらの濃いめのツユならば、煮浸し感覚が味わえるに違いない。
程なくやってきたそばをみれば、天ぷらではなく素揚げのようす。どれどれとかじれば、熱くてハフハフ、しばらくしてトロトロおいしい。
油とダシを存分に吸い込んだナスは、旨味の爆弾です。ギュムギュムとした歯ごたえの皮もたまりませんな。そばをすすって、ひと息つく。
餅の天ぷらもいいね。ツユをまとってなおサクサクの衣、ムチムチしたお餅を存分に楽しむ。謎の天ぷらはイカだね。スゥッと嚙み切れます。
再びそばをすすれば、ゆずの香りが鼻を抜けてゆく。逆にナスから滲み出た油がツユに旨みを加える相乗効果に、ひとりほくそ笑みつつ、食べ終える。
ごちそうさまでした。