豊かな森が、海の恵みを育む。ざっくりいえば、森林の肥えた土壌の栄養が、川を通じて海に流れ込み、魚介類の栄養となるらしい。
食物連鎖といえばそうだし、SDGs とも結びつく話です。里山ならぬ里海づくりとして、環境省ホームページにも掲載されています。
主語が大きすぎて実感がありませんが、目の前のメニュー「気仙沼直送 大粒カキうどん」をみて、そんなことを思いましました。
室根山から気仙沼湾に注ぐ大川が、名産のカキをおいしくする。美味しんぼでも紹介されたけど、個人的にも旧室根村は思い出深い。
学生の頃に縁があり、3週間ほど室根に滞在しました。カキは季節外れだったけど、国技館やきとりでしられる名産の鶏肉は食べました。
あの年はやませが吹き荒んで、真夏なのにストーブを炊いたっけ。でも、杉林で螢がクリスマスツリーのようにキラキラキレイだったな。
さて、感傷はほどほどに。やってきたうどんに鎮座するカキは、言うだけあって確かに大粒。ダシを飲めば、すでに潮の香りがします。
大福くらいありそうな、プリップリのカキをひと口かじれば、予想どおり、いやそれ以上に旨みが飛び出し、いつまでも噛んでいたい。
うどんはモチモチで、この牡蠣のふっくら感にはそばより合うかもしれないな。たっぷりのワカメは、ザクザクした歯ごたえです。
海のミルクと呼ばれるカキの栄養価を殊更に書き連ねても仕方ない。何より嬉しいのは、おいしくて、ヘルシーであること。ありがたい。
里海の取り組み、輸送の発達、おいしく作る料理人。すべてに感謝しつつ、ペロリ完食。そのうち、室根や気仙沼に行かなきゃな。
ごちそうさまでした。