貝のダシはおいしい。アサリやシジミの味噌汁、ハマグリの吸い物、ホタテの貝柱のスープなど、驚くほど旨みが滲み出る。まるで海のエキスを集めたように。
無論、カキも例外ではない。鍋に入れると〆の雑炊が待ち遠しいほどの旨みが出る。新鮮なヤツは生で食べたいけど、熱を入れても旨みが活性化しますよね。
本日の日替わりに「カキうどん」と「カキ天定食」が居並び、ひどく悩む。どちらもおいしいのは確定なので、あとはダイエット中の自分との対話ですね。
で、カキうどん。去年こちらでは気仙沼直送の大粒カキうどんを食べたっけ。ぽってり肉厚なカキは実においしかった。舌の記憶はなかなか消えません。
https://socius-lover.hatenablog.com/entry/2021/12/16/070000
さて、今回のカキうどん。大粒でないからといって、決して小粒でもない。持ち上げてガブリといけば、緊満したカキの身から飛び出してくる潮の香り。
まさに海を味わう感覚。海水は塩っぱくて飲めないけど、カキというフィルターを通すと、こうもおいしくなるものか。自然の恵み、ありがたや。
ヘルシーなのに栄養満点なのもカキの嬉しいところ。海のミルクの二つ名はダテじゃない。鉄分、ビタミン、亜鉛などがたっぷりで食べるサプリといえよう。
ツルツルのうどんも今日ばかりは引き立て役。とはいえ、カキのダシの滲み出たツユをまとい、いつも以上においしい。5粒あるカキを愛おしく食べてゆく。
旨みを堪能するために七味はかけない。塩分を気にしつつ、匙でいくらかツユをいただく。最後に、残しておいた一番大粒のカキをひと口で食べるのだ。
ごちそうさまでした。