「カレーとはなにか?」海原雄山に問い詰められると答えに窮する。インドをはじめ東南アジア、欧風など、幅は広く、底も深い。
個人的にカレーとは給食に出たような、小麦粉でトロミをつけた、ザ・日本のカレーであり、油断すると膜が張るような黄色いヤツ。
牛肉でも豚肉でもいいけど、じゃがいも、玉ねぎ、人参は外せないな。らっきょうはなくとも、福神漬は欲しい。そんな、昭和マインド。
もちろん、印僑のナンカレー、神保町辺りの欧風カレーも好きだけど、あれはよそ行きのカレー料理であって、心の故郷ではない。
しかし、じゃがいもは煮崩れが懸念されるのか、外食ではオプションのことが多い。ふらふら彷徨っては、理想のカレーを求める。
で、そば屋の券売機にカレーライスの文字をみつける。そば屋のカレーに外れはないけど、おそらくじゃがいももない。でも、いいや。
やってきたのは、明るい色合いのひと皿、真紅の福神漬が嬉しいな。予想通り具材は豚コマと玉ねぎだけど、いずれもたっぷりで嬉しい。
まずはひと口、最初はダシの香りがして、次にスパイスの辛みがやってくる。咀嚼するうちに、いま一度ダシ感がくるけど、やはり辛い。
これぞそば屋のカレー。つくり置きしないだろうに、サッと出てきて、しっかりおいしい。家でできそうで、絶対に再現できない味。
小皿の福神漬を移し替え、辛みを相殺しつつ、食べてゆく。カレーソースが足りなくならないよう塩梅するのが、また楽しからずや。
外食で理想のカレーに出会うのは難しそうだけど、これはこれで大満足。ま、ココイチのやさいカレーを食べればいいんだけれどね。
ごちそうさまでした。