関東でサラリーマンをしていると、立ち食いといえば「そば」が基本となる。もちろん、うどんの取り扱いもあるけど、その旨を伝えねばならない。
先入観というものは、げにおそろしい。これが関西ならば基本が「うどん」、名古屋ならば「きしめん」だろう。当たり前を疑わねばなるまい。
とはいえ、関東にもブーム以来、讃岐うどんの専門店が絶えない。麺喰いとしては嬉しい限りだけど、彼らは決して「そば」は取り扱わない。
なんというか、片務的。黄金のダシに、そばが泳ぐのも悪くないと思うけどね。さて、そんなうどん専門店で、かけうどんに温玉をトッピング。
まずはダシをゴクリ。ちょうどいい塩加減はまるで母なる海、生命のスープを感じるといえば大仰か。気になって、塩分濃度をググってみる。
海水が3.4%、血液が0.9%らしい。さらにいえばヒトがおいしいと感じる塩分は、血液よりちょっと濃いめらしく、うどんのダシも1%強の塩分濃度とか。
ちなみにうどんは小麦粉に対して4%くらい塩が入るらしく、そばに比べると塩分が多めになる。いろいろ知識を得るほど、食べるのに臆病になるな。
天かすは油をダシに滲ませ、生姜は胃を温めてくれる。半分くらい食べたところで温玉をトロリと割り、うどんと絡めてカルボナーラよろしく食べる。
店員さんは、アジア系の外国人かな。テキパキとうどんを出してゆく頼もしい姿に国境はない。そばだの、きしめんだの、国内で争う場合じゃないな。
ごちそうさまでした。