今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 932)朝うどん in 箱根そば

 

そば派、うどん派は意外と争いが少ない。これがきのこ派たけのこ派ならば血で血を洗う惨禍が起きるけど、そば派、うどん派は主張を心にとめおいて過ごしている。

 

ひとえに、たいがいのメニューが「そば、うどん」両方選べるという特性にあるだろう。まあ、ニューウェイヴそば店や、丸亀製麺などは、どちらかしかないけれど。

 

そばは東日本、うどんは西日本に勢力を伸ばすけど、三大そばの出雲、三大うどんの稲庭、水沢など例外も多い。富山の高岡ではあい盛りの「ちゃんぽん」もあるとか。

 

細かな点をあえて無視すれば、ざっくりと東京はそば、大阪はうどん。二項対立のほうがわかりやすく、受け入れられる。硬水と軟水の関係で、ダシも異なっている。

 

東京は関東ローム層の影響もあり比較的硬度が高く、カツオダシがとりやすく、昆布ダシがとりにくい。大阪は軟水なので昆布ダシがしっかりとれ、醤油も薄口である。

 

とはいえ、その辺の立ち食いそばでは、そばもうどんも一緒くたのダシである。関西人は東京は真っ黒いうどんだとショックを受けるけど、ダシとカエシの違いなのだ。

 

で、本日は箱根そば。きつねとたぬきが競演するモーニングをうどんで。そばなら茹でおきがあるけど、うどんはつど茹でなのか時間かかり、水をチビチビ飲んで待つ。

 

今どき珍しく真正立ち食いで、カウンターから朝うどんを受け取る。いわゆるむじなうどんのツユは黒く、ひと口飲めばかなり熱い。七味をふってうどんを取り上げる。

 

白いうどんが早くもツユ色に染まりつつある。ツルツルすすると、カエシがきいて塩っぱめ、甘めで、実にわたし好み。モロモロの揚げ玉をからめれば、コクがでます。

 

お揚げは甘く炊かれ、朝イチのわかめはクキクキとフレッシュ。そばに比べるとうどんは太いぷん熱を帯びており、胃が温まります。なんといってもこの価格が嬉しい。

 

東西の違いはあれど立ち食い麺がサラリーマンのお財布の味方であるのはかわりない。そろそろ、琵琶湖の水でつくられた、関西のはんなりしたダシが飲みたいなあ。

 

一番食べたいのは、名古屋のきしめんだけど

 

ごちそうさまでした。