今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 1008)パイカそば in 豊はる

 

 

イカ。どことなくロシア語っぽい不思議な響きです。調べると豚バラ軟骨をさし、養豚が盛んな青森三沢名物らしい。諸説あるけど、排骨(パイコー)が転じたとか。

 

こちら豊はるは、立ち食いでは珍しく、そば、うどんのほかきしめんも選べる。ノレンをくぐれば、朝早くから活気にあふれ、ご夫婦なのかな、気持ちよい接客です。

 

名店豊しまから独立したそうで、名物肉そば、厚肉そばもあるけど、ここはやはり元祖を名乗るパイカそばを食べよう。食券を提出して、水を汲んでカウンターで待つ。

 

ほどなく、元気なお姉さんがパイカそばを配膳してくれる。見た目は牛すじのようだけど、期待が高まります。まずは丼ぶりを持ち上げて、ツユをふうふう、ゴクリと。

 

熱くて、しょっぱくて、深みがある。なんでもパイカを炊いたダシが入っているらしく、なるほど魚介系のそばツユとは一線を画するわけだ。正直いって、好みです。

 

お楽しみのパイカをつまめば、トロリとした食感で、ビールが欲しくなる。そばをズルズルすすりこむと、お腹がドンと温まります。卓上の極辛一味を少しだけかける。

 

あとは一気呵成にすすり込む。アクセントの紅生姜は、彩りだけでなく、その酸味が心地よい。久しぶりに余計なことを考えずに、ひたすら夢中で立ち食いそばを堪能。

 

メニューには春菊天やいか天だけでなく、ばかしもある。きっとうどんもきしめんもハイレベルだろうし、小川町に来たときは再訪しようと心に誓い、水を飲み干す。

 

下膳して、ごちそうさまと呟いて店先に向かうと、大将からも「ありがとうございした」と気持ちのよい声がかかる。人気店の秘密がわかる気がします。また、来ます。

 

ごちそうさまでした。