牛タンを始めて食べたのは、上京してほどなく、大学近くの焼肉食べ放題の店で、先輩に「最初は牛タンからだな」と教わったときだった。
目の前で焼かれた肉を熱々のうちに食べることすら初めてだったので、牛タンのあまりのおいしさに、度肝を抜かれました。レバではなくタンだけど。
ともあれ、サクサクした歯ごたえ、適度な塩っけ、ジューシーな脂の香り。炭火焼きなら一層おいしく、かつヘルシーなタンはオジサンの今こそ強い味方です。
杜の都仙台は牛タンでも有名ですが、その実米国産が多いとか。だが、それがいい。地産地消ではなく、一軒の店が始めたメニューが町の名物になる。
サクセスストーリーですよね。名古屋の台湾ラーメンとか、札幌の味噌ラーメンあたりに通ずるご当地グルメの1つのカタチ。ねぎし、久しぶりだ。
店に入ると、すでに炭火の香ばしさが鼻腔を満たす。においだけでお腹がすくなぁ。
さて、メニューはいろいろあれど、ランチでお得ながんこちゃんを選ぶ。赤身のタンを食べやすく薄切りしたがんこちゃん。Eテレの番組を思い出す。
さて、まずはひと切れパクリ。サクッとした歯ごたえ、脂の旨み、適度な塩味に、炭火の香ばしさ。追いかけるように麦飯をかきこむ。たまらんです。
麦飯は、素食、清貧といったイメージですが、こと牛タンに合わせるならば白米より麦飯。半分食べてとろろをかければ、ツルツルと飲み込める。
脇をかためるテールスープも淡麗ながらしっかりした味わい。これってネギを一番美味しく食べる方法なんじゃないかと思えてきましたよ。
牛タンとちえば、やたら辛い唐辛子味噌。ご飯おかわり自由の誘惑に駆られますがヘルシーを重視して自重する。あゝ食べて仕舞えばあっという間だ。
牛タン定食という完成された料理。胃袋具合によって量を調整するくらいで、世界中どこに出しても勝負できる気がします。最後に熱いお茶を啜る。
ごちそうさまでした。