タクシーの運転手は、おいしい店を知っているという。逆にいえば、タクシーの止まっている店はおいしいということだ。B級グルメファンの常識なのだろう。
同じく、街道沿いに路駐があるラーメン店も、まずアタリだな。個人的に路駐はいただけませんが、リスクを背負ってまでして食べたい味は、間違いない。
国道沿いのこちらは、横浜家系ラーメンがいただけます。店前の看板も、店内の券売機も、メニュー名は太麺or細麺。ラーメンであることは自明なんだね。
到着は開店3分前。メニュー看板を熟読しつつ待っていると、国道に路駐したオジサンが降りてくる。いいのか路駐? まあ、他人事だから構わないけど。
とりあえず一番客。予習のお陰で悩むことなく太麺、肉入り3点盛りを発券。席につくと、ひと息つく間もなくトッピングの選択を迫られる。むむむ。
肉類は、角煮 or チャーシュー。そのほかは、ネギ、ほうれん草、味玉、メンマ、もやしから2種類。こちらは少し悩んだうえで、角煮、ネギ、もやし。
大盛り or 替え玉無料とのことですが、丁重に辞退。ダイエットもあるけど、お腹のキャパがそんなにない。開店して10分、すでに店内には待ち客が!
別にあせる必要はないんだけど、なんとなく、街客に恨みがましい目で見られている気がするのは小心者ゆえ。ともあれ、まずはスープをゴクリと。
いかにも豚骨らしい、上下の唇がくっつきそうな濃厚なダシ。テラテラの唇はそのままに、きざみニンニクを少し、揚げニンニクをたっぷりと入れる。
ズルズルと太麺をすすれば、旨味だけ、臭みなしの香りが鼻腔を満たす。モチモチの麺は濃ゆい味をよく受け止めて、約束されたエデンのようなおいしさ。
やはり家系ラーメンは中毒性が高い。同じ豚骨でも、博多は日常の延長で、毎日でも食べられそうだけど、家系はイベント感が強い。それだけパンチがある。
ほうれん草はシャキシャキで、ご飯が欲しくなる。ここでラーメンダレを少し足して、歯ごたえアリのチャーシュー、肉の繊維と脂のサシがうまい角煮を堪能。
口の中がしつこくなるところを、九条ネギともやしがサッパリさせてくれる。この絶妙なゲームバランスこそ、ドラクエ2に見習ってほしかった。
ご飯が似合うのはわかるけど、アラフィフの胃には突然すぎる。フィンファンネルのように雄々しく屹立する海苔をスープでふやかして、麺を巻いて食べる。
食べ終えると、すっかり腹くちくなり、大満足で水をガブガブと飲む。店を出れば行列は店外までのび、相変わらず路駐はそのままで、太陽が照りつけている。
ごちそうさまでした。