今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 755)淡麗煮干そば

 

昔ながらの醤油ラーメンが食べたい。そんなことを思っても、意外と取り扱う店はない。はっきり言って、現在のラーメン界では非主流派なのだろう。

 

そもそも、チャルメラの音が聞こえるような鶏ガラ醤油ラーメンというのは、昭和の遺物であろう。今では屋台もなく、街そば屋、SAなどに細々残る。

 

あとは、餃子の王将、餃子の満洲あたりのラーメンがイメージに近いけど、基本的にあすこは餃子屋さんだからな。何か手がかりがないかとGoogleを検索。

 

すると、ちょっと歩いたところに、醤油ラーメンの新店を発見。あまりアテにしていないけど、ユーザーの評価も高い。ここはひとつ、新規開拓しようかな。

 

居抜きながらもカウンターだけの店内は落ち着いた雰囲気。なんでも、いりこだしと小豆島の醤油を使ったラーメンというので、期待は勝手に高まっている。

 

しかし、券売機は売り切ればかり。なんと本日は曜日限定の「煮干しの日」とか。なんてこった。思惑が外れ、肩を落としつつ、淡麗煮干しの食券を購入。

 

濃厚煮干しも品切れらしく、人気店なのだと自分を説き伏せる。いわゆる二毛作店なんだろうけど、情報収集の大切さを痛感しつつ、セルフの水を汲む。

 

みれば卓上に調味料もなく、味に自信があることが窺える。で、やってきた煮干しラーメンは見目麗しく、ラーメンというより麺料理と呼ぶのがふさわしい。

 

スルスルと食べれば、当たり前のように、悔しいくらいおいしい。澄んだスープを彩る煮干しの香りは、料亭のダシのごとく。香ばしさと魚の旨味がわかる。

 

麺は細からず太からずで、スープとよく絡み、食感豊かなチャーシューは分厚く、生海苔が名脇役として働く。流石に、言うことなしの煮干しラーメン。

 

ただ、当初の目的の「昔ながらの醤油ラーメン」は食べられなかった。こちらの店は、普段もおいしい醤油ラーメンを出すだろうけど、昭和のそれではない。

 

我ながら贅沢だなぁと思いつつ、きっちり完食。さすがにスープは完飲しないけど、匙で23口未練たらしく飲んでおく。四の五の言ってもおいしいのよね。

 

 

ごちそうさまでした。