今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 452)新サンマの塩焼き定食



ひらがなを多用すると文章が読みやすくなるけど、幼い、拙いという印象も与える。理想はかな7、漢字3などといわれるけど、意識してできるものではない。


日本語が繊細なのだといえば響きがいいけど、ようはピーキーなわけです。たとえば「アルジャーノンに花束を」の訳文を読むと、構成と相まって感心します。


で、サンマ。さんまと書けば明石家で、秋刀魚と書けば他人行儀だし、やはりサンマと書くのがしっくりくる。ピカピカの魚体は硬質なカタカナがよく似合う。


じっくり焼かれたサンマは、言うまでもなくおいしい。箸を入れれば身離れがよく、ひと口食べると、焼けた皮の香り、追ってやってくる身の旨み。


こいつぁ、オカズヂカラ抜群だ。余韻が残るうちにご飯をかきこんで、ふた口目からは口内調味でサンマをやっつける。小骨はカルシウム補給にちょうどよい。


秋だねぇ、海の恵みに感謝しつつ、もりもり食べる。尻尾の飾り塩すら愛おしく、すこーし醤油をかけた大根おろしとともに、口いっぱいにご飯を頬張る。


サンマのワタ。そりゃ日本酒が合うんだけど、ランチは白米で勘弁してほしい。しっかり苦くておいしいけど、いつから苦いが好きになったのだろう。


カキ、サンマ、春菊。大人になって食べられるようになった、苦み走ったいい男シリーズは、いずれも秋〜冬の味覚ですね。ぜひ健康でいて、楽しまないと!


ともあれ、今年の初サンマは見事に骨だけになりました。人生であと何回初サンマを食べるものかわかりませんが、思い出に刻み込んでいきたいものです。


ごちそうさまでした。