今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 486)ひれかつ弁当

 

お値打ちなワンコイン弁当は、うかうかするとすぐに売り切れる。三種の日替わり弁当は、並んでいる間にあれよあれよと売り切れ、残るはひれかつ弁当のみ。

 

焼き魚気分だったけど、ひれかつを食べられるなら贅沢は言ってられない。味噌汁をつくり、蓋を開け、ソース、カラシと準備して、いよいよ箸を割る。

 

まずは野菜の煮物から。ベジファーストというより、焦らされてからひれかつを食べようといういじましい気持ちです。冷めた白米は、よく噛むと甘くなるな。

 

さて、ひれかつ。若いころは脂身のないカツなんて認められなかったけど、年とともにありがたみがわかる。中トロでなく赤身がおいしくなるのと同じだな。

 

ガブリとかじれば、しっとりした衣、濃厚なソース、鼻に抜けるカラシ。三者三様の味わいの中にやわらかなひれ肉が隠れています。キシキシと歯ごたえあり。

 

ソースは粘度によりウスター、中濃、とんかつなどと使い分けされるけど、白米よりはビールが似合う。でも、とんかつの場合はごはんのお供にベストマッチ。

 

つくづく、おいしい。とんかつを食べたいと思ったとき、いつでも食べられるので、今のところ人生は上々かな。温かい味噌汁をひと口のんで、ホッとする。

 

量は少ないけど、油とソースの染みた素スパゲティが実においしい。名残り惜しく1本残さずに食べ尽くし、再びひれかつで至福のひととき。ありがたや。

 

お弁当1つでここまで幸せになれるのだから、我な呑気なものだと思う。まあ、食事のときくらいは、憂き世のよしなしごとを忘れて一意専心でいたいよね。

 

ごちそうさまでした