定食屋の昼は殺伐としている。みな昼休みという限られた時間、懐具合、その日の気分を総合勘案して、食事処という戦場に向かうのだ。ちょっと大袈裟かな。
ともあれコロナ以降は席間も広めだし、相席もしない店が多い。席を確保できればいいけど、わずかな出遅れで意(胃?)にそぐわぬメニューとなる。
で、やよい軒。豊富なメニュー、手頃な値段、ごはんおかわり自由なので、ランチどきは運がよくないと入れない。でも、朝食ならばまず入れます。
ランチと同じ定食も食べられるけど、朝は軽めにしたいので、朝食メニューを検討。久しぶりにしらすおろしにしようかな、と食券を購入して席に座る。
店内BGMはジャズっぽいピアノで、思わず呼吸が深くなる。ひょっとしてランチどきも流れているのだろうか、喧騒のあまり認識できていないのかもしれない。
程なくやってくる朝定食。トレイの中央、日の丸部分にはやよい軒名物の大根漬けが陣取ってます。味噌汁で箸を湿らせつつ、陣容を確認する。
しらすおろし、生玉子、冷奴、味噌汁、味のり、漬け物。ご飯1膳では抗いきれないオカズ軍に困惑する。ダイエット完遂までは、1食1膳と決めてるのよね。
まずは真っ先に、しらすおろし。大根の青臭い辛み、しらすの香り、醤油の塩っけが入り混じり、ひと噛みごとにこれこれ、これですよと頷きたくなる。
冷奴にも醤油を少し垂らして、箸で切ってはそおっと口に運ぶ。大豆の甘みがしみて、冷たさが心地よい。返す刀で玉子にも醤油を垂らして、軽くかき混ぜる。
ごはんの真ん中に穴をあけ、トロリと流し込み、ガツガツとかき込む。黄身のコク、白身の食感を楽しんだあとは、味海苔で巻いて磯の香りも楽しんじゃう。
大根漬けは塩分を気にしてほんのひと匙だけ。本来ならば、サービスのダシ汁をかけて玉子雑炊風に食べたいところですが、腹くちくなりすぎるので自重です。
それにしても、ゆっくりできる。ランチでは、どうしても待ち客を気遣って早メシになるけど、朝のゆったり時間だと、よく噛めて胃も喜んでる気がします。
ごちそうさまでした。