地名を冠にいただくラーメンは、まず間違いなくおいしい。現地で評判だからこそ、支店が広がるわけなので、当たり前かもしれないけど、改めてそう思う。
欲を言えば、東京より地方の地名のほうが旅情も感じられて、なおうれしい。函館、喜多方、高山、尾道など、行ったことはないのに、なぜか親しみがある。
で、博多。新幹線の駅名にもあるから、なんとなく福岡の大半を占めている気がするけど、博多区の、さらにごく限られた地域が博多を名乗れるのだそうだ。
東京でいうと神田あたりだろうか。全国的な知名度はともあれ、神田祭も有名だし、江戸っ子チャキチャキという印象。ラーメンではなくそばが有名だけど。
さて、博多ラーメン。当然、現地ではラーメンとしか呼ばれないだろうけど、誰しもが白濁した豚骨スープと、細ストレート麺を思い出せるブランドラーメン。
卓上に無料トッピングがあるのが、本格派で嬉しい。細麺は程なく茹で上がり、辛もやし、紅生姜、高菜をのせて箸を割る。マスクを外せば食欲をそそる香り。
塩分を気にしてレンゲは用いず、麺をすすり込んでスープも味わう。くさみではなく旨みを感じられるクリーミーなスープとアルデンテの麺はベストタッグ。
猪木と馬場、王と長嶋、キン肉マンとテリーマン。例えが昭和だけど、これがベストだよね。猪木と坂口、王と張本、キン肉マンとカメハメではないのよね。
卓上のゴマをすり、フレッシュな香りを重畳する。紅生姜の酸味、もやしの辛味、高菜の塩味がスープに溶け出し、複雑ながらそれぞれキャラの立つ味わい。
博多ラーメンは細麺でのびやすく、大盛りがないかわりに、みな替え玉をしている。しかし、こちらはビール腹を引っ込めるまでは、欲しがりません。くぅっ。
麺を食べ終えスープの底から煮えた紅生姜をサルベージして、水をグイと飲んで箸を置く。現地に行くほどアクティブではないので、また都内で味巡りしよう。
ごちそうさまでした。