今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 820)鴨うどん in なか卯

 

 

普段食べる肉というと、鳥豚牛がほとんどで、いずれも人工飼育されたものである。畜産業と流通業に感謝しつつ、安定、安心の肉を喰らっている。

 

それゆえ、肉の旬といわれてもとピンとこない。すき焼きが冬においしいのは春菊や白菜によるものだし、焼肉が夏においしいのはビールがおいしいからだし。

 

そんななか、鴨肉の旬はまさに今である。シベリアから渡ってきて、体力が回復するのがこの時期なんだとか。そうきくと、にわかに鴨肉が食べたくなる。

 

で、なか卯。チェーン店の鴨肉だから、獲れたてのジビエというわけにはいきませんが、季節限定メニューだし、旬を味わえるのは間違いないでしょう。

 

なか卯は二八そばもおいしいけど、あえてのうどん。程なくやってきた鴨うどんは、ポスターに比べて盛りつけに華がないけど想定の範囲内。味に変わりなし。

 

まずは匙でツユをひと口。普段のなか卯の黄金のダシとは異なり、鴨うどん用の濃いめ、甘めのツユが嬉しい。ユズのさわやかな香りが味の切れを増してます。

 

さて、三種の食感の違う鴨肉とはいかなるものか。団子は見た目でわかるけど、鴨肉は薄切りがくっついており、1枚ずつ剥がしてみる。ムネ肉とモモ肉かな。

 

うどんをすすれば甘辛いツユをまとい、鴨の脂とユズがお互いを引き立て、いうことのないおいしさ。ひと口目なのに、鍋の〆のような旨みにあふれてます。

 

鴨団子はふわふわ。ムネ肉はややパサつくも肉の旨みがわかる。モモ肉は脂の甘みがたまらない。三者三様の鴨肉ジェットストリームアタックに頬も緩みます。

 

ツユのしみた油揚げも、歯ごたえを残す青ネギも、なか卯の麺に対する真摯な姿勢が滲み出ています。このツユ、自販機で売ってくれないかなと思いつつ完食。

 

ごちそうさまでした。