富士そばは、チェーンながらもしばりがゆるく、グランドメニュー以外は店ごとに取り扱いが異なる。それはそれで楽しみだけど、お目当てがないと寂しい。
比較的よく行く富士そばは、ラーメンの取り扱いがなく、半年ほど富士そばのラーメンを食べていない。さっぱりして、チャルメラの音が聴こえるようなラーメン。
で、いつもの店を目指して信号待ちしていると「昔ながらのラーメン」の幟をみつける。おっ、取り扱いを始めたのかな。青になるや否や、軽やかに横断歩道を渡る。
券売機をみるに、以前はなかったカレーカツ丼もあるので、全般にリニューアルしたのかな。ともあれ、ウキウキと食券を購入して、水を汲んで到着を待つ。
やってきたのは、ザ・ラーメン。澄んだ鶏がらスープをひと口飲めば、サッパリとしていくらでも飲めそう。黄色いちぢれ麺をすすれば、コレコレと膝を打ちたくなる。
薄いチャーシュー、くきくきのワカメ、ショリショリしたねぎ、「の」の字ナルト、申し訳程度のめんま、半裁の固茹で玉子など、必要にして十分なヤツらにニンマリ。
ラーメン専門店ではかえって食べられないシンプルさ。このスープ単独で店を構えるのは飽きられるけど、そば店の1商品であれば嬉しいひと品。ありがたくいただく。
ラーメン発見伝にも、昔ながらのラーメンを好むひとはそもそもラーメンをあまり食べないので、そこをターゲットには経営できない、というような話があった。
まあ、仕方ない。富士そばだって「昔ながら」と謳っているし、ノスタルジー半分で楽しめばいいや。昭和は遠くなりにけり。老兵は死なず、ただ去り行くのみ。
ごちそうさまでした。