コロナ禍の影響か、私の生活範囲から立ち食いそば店がいくつかなくなった。平日の通勤動線、休日の散歩コースから、富士そば、小諸そば、ゆで太郎が撤退した。
旅先ならいざ知らず、立ち食いそばはわざわざ足を伸ばして食べるものではない。定期区間を外れてまで訪れるくらいなら、そのぶんをトッピングに充てたほうがよい。
で、本日は富士そば。所用があって出かけたついでの富士そば。久しぶりでつい心が弾む。立ち食いそばにきたのに、どうせなら名物を食べたくて、あえてラーメン。
お値打ちな朝そばもある時間帯だけど、ラーメン。ごくシンプルで、その名の通り昔ながらの醤油ラーメン。せっかくの富士そばなので、紅生姜竹輪天をトッピングする。
昔ながらのラーメン。黄色いちぢれ麺、さっぱりした醤油スープ、必要十分な具材たち。今どき、食べたくとも出す店の少ない、シンプルなチャルメラの音が聴こえる一杯。
そして紅生姜竹輪天。スープに油をしみだして、なお堅牢で頼もしい。竹輪も紅生姜を詰め込まれるとは思っていなかっただろう。竹輪は甘く、紅生姜は辛くて楽しい。
ラーメンを出す街そば屋さんは数あれど、さすがに天ぷらをトッピングするのは憚られる。いわば、立ち食いそばならではのマリアージュ。ゆで太郎でも可能ですね。
いや〜、やっぱりいいわ富士そば。舌が合うのよね。箱そばの強い小田急沿線に展開しないのはわかるけど、高幡そばは店舗が少ないから京王沿線に再進出してほしい。
ともあれ、朝ごはんとしてはカロリーオーバーなので、スープはなみなみと残す。塩分も過多なので水を飲んで血液を薄める。アラフィフの体とうまく付き合わなきゃ。
ごちそうさまでした。