箱根そばの季節商品は、長〜い商品名である。おそらく当ブログの最長ではなかろうか。とはいえ、名は体を示すとの言葉どおり、この名づけには無駄も無理もない。
桜の名を戴く桜海老はいかにも春らしい食材で、みかけるとついつい食べたくなる。食券を提出して一刹那待つと呼び出しがかかる。店内は私含めオジサンだらけだね。
ミニかき揚げと言いつつ、それは直径だけの話で、厚さ4センチはありますね。どこにかぶりつくか逡巡するものの、ツユを吸う前に慌てて丸ごと持ち上げてガブリ。
朝早いからまだカリカリと香ばしく、玉ねぎの甘みが楽しめる。ふた口めでようやく中央の桜海老にたどり着くと、なんともいえぬ海老の香りが鼻腔を満たしてくれる。
しばらくかき揚げのサクサクを楽しんだのち、ツユに漬け込み再会を誓う。天ぷらをかき分けてそばをすすれば、安定の箱そばクオリティ、サッパリ系のツユがいいね。
さて、肉団子。我ながら例えがニッチだけど、1/144アッガイの頭部くらい大きい。ずっしりを持ち上げひと口頬張れば、ひき肉の旨みとレンコンの繊維質が楽しい。
あっさりしてるけど、ツユを吸った肉天はオカズヂカラもありますな。ズルズル、もぐもぐと楽しんでいると、かき揚げがハラハラとツユにほどけて舞い散っている。
「ひさかたのひかりのどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ」ほど美しい情景ではないけど、舞い散る玉ねぎの一片一片をかき集めてはツユと飲むらむ。なんてね。
ごちそうさまでした。