今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 531)揚げ卵とほうれん草のカレー

 

幾つも恋して 順序も覚えて KISSも上手くなったけど 初めて電話するときには いつも震える♩

 

そんな乙女のような心もちで、久しぶりに新規店舗の開拓である。たまに通る道にみつけて機会をうかがって、自分に言い訳しつつ先延ばしにして、いよいよ入店です。

 

いい年したオジサンが何言ってんだ、というところですが、夜はバーになるような小洒落た店構えは入店障壁が高すぎた。しかし今日は朝からカレー腹なので一念発起。

 

重い扉を開ければ、濃いめのウッディな雰囲気である。カウンターへと導かれ、メニューを眺めて、当店の看板メニュー「揚げ卵とほうれん草のカレー」を注文する。

 

トッピングの揚げウインナーが2匹で150円とのこと。「匹」と書くセンスが好ましく、思わず追加する。サービスという水菜のサラダを喰みつつ、のんびり待つ。

 

店内は混み合っており、ガヤガヤとした喧騒に包まれる。配膳の声も後客の注文も、揚げ卵とほうれん草カレー率が高く、自らの注文にすっかり安心した頃に到着です。

 

彩り鮮やかなひと皿が食欲をそそります。まずはカレーをスプーンでペロリ。シャバシャバ寸前のサラサラとした粘度で、スパイスも感じますが、欧風のコクもかなり。

 

ライスをまぶしつつ食べればちょうどよい辛さです。薄ーく衣をまとった揚げ卵の黄身は半熟で、1つ目はひと口でパクリ。カレーソースとの相性は言うまでもない。

 

ほうれん草とライスを崩し、カレーをとともに食べてゆく。ほうれん草のクキクキとした歯ごたえが心地よいアクセント。豚肉はほろほろと、歯がいらないやわらかさ。

 

これは当たり、大当たり。ウキウキと食べてゆき、後半戦にかかるあたりで赤ウインナーをスプーンで取り上げる。ひとの作ったタコウインナーなんて今世紀初めてだ。

 

香ばしい衣の中に、ほろほろ崩れる独特の肉。赤ウインナーは間違いがないなぁ。大きな皿の上には、なみなみとカレーが残るけど、ライスで左方に追い込んで食べる。

 

すっかりカレーがなじんだ卵やほうれん草は、食べ始めのフレッシュさとは異なる味わいでこれまたおいしい。すっかり食べ終えて、水をゴクリと飲んで、息をつく。

 

ごちそうさまでした。