今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 891)めとろ丼+半そばセット in めとろ庵

 

 

言葉には「まじない」の力がある。よい言葉にはよい力が宿り、汚い言葉を用いれば悪いことが起こる。そんなわけはないと思いつつ、日本人は言霊に縛られている。

 

令和の今に至っても冠婚葬祭に忌み言葉は用いないし、縁起の悪い言葉は言い換えている。ウェディングケーキは「切る」のではなく「入刀」するのだ、と今さら納得。

 

縁起を担ぐというレベルなら、身近にもたくさんある。スルメは「お金をする」に通じるのでアタリメと言うし、天かすは食べ物にふさわしくないので揚げ玉と言う。

 

さて、前口上が長くなりましたが、本日の朝食はめとろ庵の朝食セット、めとろ丼。新メニュー4種類をひと通り食べたので、2周目ではないけど、つい食べにくる。

 

めとろ丼ってなんだよというと、揚げ玉+半熟玉子+漬け物の丼ぶりで、たぬき丼とも揚げ玉丼とも言え、何年か前に流行った「悪魔のおにぎり」が思い起こされる。

 

揚げ玉と麺つゆを混ぜ込んだおにぎりで、食べ過ぎも厭わずクセになる悪魔の囁きのようなおにぎり。揚げ玉により白米に油っけが加わり、麺つゆで旨みが膨らんだ。

 

揚げ玉はサクサクで、濃厚な半熟玉子とからみ、漬け物の塩っけも相まってごはんが進むことこの上ない。軽く咀嚼して、そばつゆとともに喉に流し込む快感たるや。

 

たぬきそばに凝ったとき、母親が「天かすがのってるの?」と驚いていたな。「揚げ玉ね」と返したけど、ピンと来ていなかった。言葉ひとつでずいぶん印象が違うな。

 

個人的には、天ぷらを揚げたついでのダマで形がさまざまなのが天かす、専用にまぁるく揚げたのが揚げ玉と思っているけど、使い分けよりもおいしいかどうかですね。

 

朝のめとろ庵は、人の出入りが激しく、多くの立ち食いそばがそうであるように落ち着かない。胃に入った確かな熱量と、耳に沁み入る店の活気をもらって、店を出る。

 

ごちそうさまでした。