カレーうどんというと、すうどんにカレーソースがかけられたものと、カレーソースがツユ全体になじんだものに大別される。前者は食べるうちに後者に近づくけどね。
こちらは、ランチタイムのアジアンダイニング。日替わりのナンカレーが主力ながらも、ベトナムのフォー、タイのトムヤムクンやガパオライスなど手広く扱っている。
そんななかで異彩を放っているのがカレーうどん。いわゆる本格派インドカレーを、うどんで食べてしまおうという意欲的なひと品です。ライス付というのが泣かせる。
まずは先付けのサラダを喰みつつ、ラッシーをひと口。定番の組み合わせに、舌も胃もインドカレーの準備を始めているのに、やってくるのはうどんというのが違和感。
どうやらツユ全体にカレーがなじむタイプですね。まずはレンゲでひと口飲めば最初は甘くてあとで辛い、いかにもインドカレーな味わい。ダシは謎だけどクセがない。
うどんをすする前に紙エプロンをつけ、箸でスープを探る。どうやら具材はアサツキと細切りチキンのシンプル仕様だな。稲庭うどんのような細麺をツルツル食べる。
熱っつい。うどんがかなりの熱を帯びており、カレーの辛さも相まって、やすやすとすすらせない。左手のレンゲにミニうどんをこしらえては、ちまちまと食べてゆく。
落ち着いて食べれば、独特のスパイスカレーの風味が感じられ、クタクタのうどんもご愛嬌です。クセのないスープはついつい飲みすぎちゃってお腹がたぷたぷになる。
うどんをあらかた食べ終えたのち、お行儀ワルを覚悟のうえで、ごはんをスープに入れる。スープカレーのように、レンゲで浸して食べるのが正解だろうけど、あえて。
カレーうどんの底にごはんが潜んでおり、ひと品で2度楽しめる豊橋カレーうどんリスペクトです。カレー雑炊とも形容できる〆のごはんを、レンゲでふうふう食べる。
熱さとスパイスの挟撃に遭い、おでこにジワリと汗をかく。グラスの水よりも、やはり甘いラッシーが舌を慰めてくれる。あまり類のないカレーうどん、堪能しました。
ごちそうさまでした。