メニュー表には店のポリシーが滲み出る。たかがメニュー、されどメニュー。店の一押しならば目立つようにあしらわれるし、ドリンク類は末尾に並ぶことが多い。
これが券売機だと、ヒトの目の自然な動きから左上にオススメがある。松屋の券売機がわかりにくいとの話題をみたけど、幾度もタッチするのは確かに面倒である。
メニューの豊富さが仇になるわけだけど、一方で注文間違いや金銭扱いなど店員さんの負担軽減にもなるので、落としどころが悩ましい。で、本日はラーメン店です。
朝からラーメン腹の本日。なんででしょうか、血中ナトリウム濃度が低いのかもしれない。カラダが欲するのは何かのサインなのだから、気持ち早足で目当てに向かう。
A4 一枚のシンプルなメニュー表。いつものこってりみそにしようか、いやいやつけそばもおいしい季節だな、などと大いに悩んでおすすめの醤油味玉らーめんを選ぶ。
利益率が高いという都合もあるだろうし、独立系の店なので創業の味なのかもしれない。悩んで選んで悔やむくらいならば、おすすめに従うのが吉。水を飲みつつ待つ。
やってきたのはシンプルな醤油ラーメン。そうそう、こんなだったとスープを飲めば明らかに質の高いダシ。なんでもおいしい幸せ舌の私だけど、質の高さが窺えます。
細麺を箸で取り上げてすすれば、ツルツルと喉越しよく、鼻腔に醤油のいい香りがぬける。海苔をスープに溶かせば、磯の香りが加わってさらに風味が豊かに広がる。
クニクニのめんま、ほろほろのチャーシューは噛めばしっかりした歯ごたえ。ネギと水菜はシャキシャキとして、全体としてまとまりがある。さて、残るは味玉ちゃん。
綺麗な薄飴色の味玉を箸で割れば、しっとりとした黄身がきらきら光る。黄身のコクと白身のサッパリ感が微笑ましく、やるなオススメ!と心の中で舌をぐるぐる巻く。
おいしく食べ終えると、メニュー表より会計が安い。飲食店を盛り立てる区のキャンペーンらしく、嬉しい誤算にテンションが高まる。お得なぶん、何か飲もうかな。
ごちそうさまでした。