今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 906)かき揚げそば

 

 

東海林さだお氏が立ち食いそば全メニュー完食を狙って富士そば荻窪店に通っていたところ、いつしかイスが設置されて「立ち食い」制覇を断念したという話がある。

 

そう、立ち食いそばと言いつつ、チェーン店ではイスが設置されている店が多い。いわゆる町そばとの区分はグレーゾーンとなっているけど、私なりの物差しがある。

 

それが、天ぷら。天ぷらそばというと海老天そばが出てくるのが町そば。立ち食い系は、天ぷらの下位分類に、かき揚げ、春菊天、げそ天、海老天などが区分される。

 

こちらはカウンター4席とテーブル4席の小ぶりな店構え。朝営業はなく、夜はちょい飲み屋に変貌する二毛作店。外壁に貼られたかき揚げそばの写真に誘い込まれる。

 

食券を出して、カウンターの高いスツールに座り、セルフで水をいれる。イスなれどまごうことなき立ち食い系の所作。見ればカウンター奥では生地を揚げ始めている。

 

揚げたて、楽しみだ。待っている間、壁にの夜の居酒屋メニューを眺める。合鴨ぽん酢、油揚げ焼き、ポテサラ魚肉ソーセージの天ぷらは昼にも出してほしいなあ。

 

正面のTVを見ればホンジャマカの恵がえらい白髪頭で驚く。自分も白髪まじりだから当たり前だけどね。チリチリと天ぷらの揚がる音がだんだん軽くなってきたぞ。

 

やってきたのは、正調かき揚げそば。天ぷら塩をふりかけて、もぎとって食べればカシュっと軽く、熱々ながらも野菜の甘みがよくわかる。揚げたてはサイコーですね。

 

ツユは甘く、そばもツルツルでおいしい。唇を油でてらてらにしつつ、ふうふうと冷まして食べてゆく。揚げたてのかき揚げでツユの温度が上がるのが嬉しい悲鳴です。

 

後客はかき揚げを別盛にしており、その手もあったのかと心の中で膝を打つ。こんどは夜に来て、ほろ酔いのあとそばで締めるのもいいな。楽しみが1つ増えました。

 

ごちそうさまでした。